銀河うさぎの夜
すると
銀河うさぎは困ってしまいました。

駅長きりんやめがねざるおじいさんが探せなかった

国王うさぎの娘を

はたして銀河うさぎが見つけられるのでしょか。



しかし

こうなったら、自分で探すしかありません。

そうしないと駅長うさぎの耳が

ちょんぎられてしまうのです。



銀河うさぎは

駅長うさぎと長いつきあいなので

駅長うさぎが苦しむのは嫌なのです。



そんなとき

いつの間にいたのか

小さなねずみが二匹

銀河うさぎの背中の上で

ちゅーちゅー話をしていました。



銀河うさぎは耳をすませました。



「なんだか、地球という星で
月に帰れないうさぎの女の子が、夜になると月をみながら泣いている
という話を聞いたよ。」

「まあまあ気の毒に。それにしてもどうして地球なんかにいるのかしらね。」

「あそこは水がきれいだからね。
でも、銀河うさぎが地球に行くことはないから、どうやって帰るのだろうね。」

「かわいそうに。」

「かわいそうに。」



銀河うさぎはこの話を聞いて

そのうさぎの女の子が

国王うさぎの娘に違いないと思いました。



きっと

どっかの星から転げ落ちてしまって

地球にいるのでしょう。



さっそく

銀河うさぎは「地球」へと向かいました。



それにしても

「地球」へ行くのは初めてです。



銀河うさぎは、ぼわっと青く光る「地球」を

宇宙で一番きれいな星だと思っていました。

なので、そんな「地球」に行けるのが

とてもうれしかったのです。
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