御主人様のお申し付け通りに
やっぱり、今見て正解だった。

元旦那からのメール。

今週末に東京に行くのか。

こんな夜中にメールの返信してごめん。

まさか、こんな早くに彼氏ができただなんて、伝えられない。

嫌いで別れた訳じゃないから。

やっぱり、寂しい。

甘えても、許してくれる存在だったから。

最後だとか思うと。

また会いたくなるかも。

朝起きると、もう隣りには永田の姿がなくて。

あれれ…。

相変わらず、寝る時は丸裸にされてるもんだから、布団で隠して起き上がる。

閉められた扉に紙が貼ってある。

【先に仕事行く。鍵、渡しとく】

テープで家の鍵が、貼り付けてあった。

信用してんの?私の事。

私はまたカバンからスマホを取り出すと、点滅していた。

元旦那からのメールだった。

「おはよう」

そんな些細な短文くらいは、返してもいいよね。

私はすぐに返信を返した。

「おはよう」

離れていた方が、お互いうまくやっていけれただろう。

その言葉に、結婚する前に気が付いていればよかったよね。

本当にそうだよね。

なのに、私はまた男と住んでる。

永田に対して、今よりも愛情をこの先も感じていけれるかなぁ。

うまく同じ空間で過ごせるかなぁ。

永田とセフレだったら、違った意味でうまくやっていけるのかなぁ。

同じ事だけは、繰り返したくない…。

ごめん、永田。

私はまだ完全に、あなたを愛す資格がないや。

きちんと愛せるかどうかも、今のところ自信ない。

仕事場では普通にメールして。

家に帰ってくると、トイレでメールする。

引っ越しもだいたい済ませて、私は永田の部屋で、ゴロゴロとくつろいでいた。

ベッドで横になって…退屈だなぁ。

永田様の館で監禁プレイ…か。

風呂まで一緒に入ってるんだから。

どんだけ私の事を束縛したいの?って。

トイレから永田は戻ってきて、ベッドで寝そべる私の上に乗っかる。

「…やりてぇ」

「やだ」

即答してるのに、まとわりついてくる。

「じゃあ、いいよ。おまえは何もしずに横になってたら」

「余計に嫌だね」

「あぁ、もぉ…」

悔しそうな顔付き。

簡単にはあげないよ?

しばらく悶々としてなさいっての。
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