御主人様のお申し付け通りに
step 11 元旦那との別れ
重い物も、休みの日に永田は嫌がらずに運んでくれる。

あんなに昨晩は真夜中まで、エッチしまくって疲れているのに。

永田は朝っぱらから、ガンガン運び出す。

「電化製品はリサイクル会社に引き取りにきてもらうから、そのままで」

「う…うん」

「洋服入れんのは、給料出たら俺が用意する」

「う…うん」

永田はスマホを取り出して、すぐにリサイクル業者を調べて電話をかける。

「…あぁ、もしもし?…えぇ、はい、今週の土曜あたりでも…はいはい…よろしくお願いします」

とっと電話をして、さっさと切る。

「あ、あのさ。私、土曜日はちょっと予定あるんだよね」

実は前の旦那と、本気で最後に会おうと思ってて。

「何の予定?」

永田は洋服ラックを置きながら訪ねる。

言える訳ないし。

「友達と」

「友達と出掛けるのか?」

「そうなんだよね、アハハ☆」

「呑気だな、おまえは」

私は、なんにもしないで、永田のベッドで平泳ぎしてる。

「永田ぁ。先に言っとくけど、あんまり私に一般的な女性の生き方、求めたりしないでね」

「一般的とは?」

「例えば、こったもてなし料理だとか?」

「それから?」

「理想的な結婚とか?私、掃除も洗濯も大嫌いだから」

「他には?」

「私、絶対に子どもだけは産みたくないの。だからエッチは構わないけど、子どもが出来たら本気で困る」

「避妊すりゃいいんだろ」

「申し訳ないけど、もし子どもが出来ても、私は絶対に中絶するし」

私は、知らん顔して違う方を見て言った。

「私さぁ、人生に必要ないモノは欲しくないから」

そう言うと、周りは引く。

だけど、ハッキリと永田には言わしてもらう。

一度きりの私だけの人生で、後悔するような出来事があったとしても、後に残るようなモノで、自分の人生が人の人生にすり変わってしまうような事はしたくないの!

頭を撫でる大きな手。

「分かったよ」

永田は意外にも、優しく返してくれた。

「おまえは言いづらい話も、俺だからしたんだろ?」

友人は理解してくれる。

みんな仕事が大切な女性ばかりだから。

親は話は聞いてくれても、理解は出来ないと否定される。

永田は?

理解してくれたの?


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