犬系な彼の飼い主はじめました!?



「柵瀬くん?」


「ちょっとすみません」


柵瀬くんは突然屋上のフェンスを乗り越える。


えっ、いや…ちょ!?



「はっ早まらないで柵瀬くん!?人生はまだまだ楽しいことが―」



柵瀬くんがふっと笑う。



「すいません。驚かせたくて」


振り向いて笑う。


「ちょっと探し物です。…ここだったかあ」



「探し物?」



屋上からあともう少しで手が届く大きな木の枝あたりに何か光る物があった。



「母親から貰った指輪が行方不明で。…もちろんまだ生きてますよ」



でも、 中々柵瀬くんはフェンスから動かない。



「さ、柵瀬くん大丈夫…?」



「だっ大丈夫ですよ…」





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