犬系な彼の飼い主はじめました!?
「……俺、バカだなって」
「柵瀬、くん…」
「先輩俺の為にやってくれたのに。何勝手に怒って…殴っちゃって」
だからって嫌うはずないのに。
「柵瀬くん」
柵瀬くんの傷だらけで
大きい手のひらを引っ張る。
「ありがとう」
そう言って指輪を渡すと、柵瀬くんは目を見開く。
「なんで…お礼は俺が言うことなのに…」
「怒ってくれてありがとう」
指輪を、握りしめた手を見て「はい」
とだけ言った。