きみと繰り返す、あの夏の世界


まあともかく、具合が悪いわけではなさそうで良かった。

胸をなでおろすと、おじいちゃんが「それより」と声にして。


「そろそろ支度せんと、学校遅刻するぞ」

「いやいや、やっぱりおかしいよおじいちゃん」

「だから風邪なんてひいとらん」

「だとしてもおかしい」


そう、おじいちゃんはおかしいのだ。

だって……


「今日は日曜日だよ?」


お休みの日。

夏休み最後の日。

水樹先輩とのデートの日。


そう思って口にした。

堂々と。


──けれど。


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