きみと繰り返す、あの夏の世界


「なーにボケたことを」


おじいちゃんは、鮭を焼いていた火を止め、私に向き直る。


「今日は金曜日だろうが」


……はい?


「さっさと支度してきなさい。まったく、夏休みに入る前からボケるとはなぁ」


え?


今、なんて?


ボケているのは私じゃなくておじいちゃんでしょと思いながら、壁にかかった日めくりカレンダーを見れば。



【7月18日金曜日】



一学期、最後の日だった。
















< 43 / 381 >

この作品をシェア

pagetop