君だけを見つめて君だけを…
(私はなにもしてない!!したのは私の友達だもん…)

(何もかっ…指示したのがお前ならお前はなにもしてないなんて言えないだろ…バカか…)

(だって、私ずっと桃李君が好きだったんだもの…それなのに新垣めいは…あっさりあなたと付き合ったりしたから…)

(なぁ、全部話してくれ…頼む)

俺は絞り出すように声を出した…
真実がどうしても知りたくて…


(わかった…
桃李君がバイトを初めて、新垣めいは一人で帰る事が多くなって…私はそれをいいことにはじめは自転車のかごにゴミを入れたりサドルをはずすようなイタズラから始まったの…でも、段々麻痺してきて…
あの子に直接手を出すようになったの…

皆面白がって…

それは…通がかりにジュースを頭からかけたり…
ときには男に電車で痴漢みたいなこともさせた…
それを写真に撮ったりして脅した…

でも、彼女は、あなたから離れなかった…

だけど、たまたま友達のおねぇちゃんが桃李君のバイト先によくいくことがわかったの…そこで…)

そこまで聞いて…

全てわかった気がした…

(もういい…そう言うことか…
俺まで騙されてたってことかよ…)

情けなかった…

あんなひどいことされてたのに…
何も言わずに…
おれのそばにいてくれたのに…

そんなめいを俺が最終的に傷つけたんだと知った…

理由がどうであれ、その事実は…

かわらない…

傷ついているめいの追い討ちを欠けなのは紛れもなくこの俺だったんだ…


電話を切ってからも…

初めて声をあげて泣いた…嗚咽混じりに…

めいを思うと…止めどなく流れた涙…


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