紅い龍〜俺に一生ついてこい〜
行くとやっぱり彼女は寝ていた。
スヤスヤと寝息をたてて。
『綺麗な寝顔…』ボソッ
起こすのは勿体無いけど、お腹減ってたら可哀想だから起こすことにする。
『紅ちゃん。紅ちゃん。紅ちゃん。紅ちゃん!』
紅「んぁ?」
可愛い声。
『紅ちゃん、もうお昼休みだよー。』
彼女はお昼休みってことよりも僕の顔をじっと見る。
紅「……誰。」
この子、僕のことを知らない…?
『紅ちゃん、僕のことを知らないの?』
紅「蒼龍ってことしか知らないし、知りたいとも思わない。」
あぁ、そうか。彼女は僕ら蒼龍に興味がないんだ。
顔にも地位にも。
女の子なんてみんな一緒だと思ってた。
僕らの顔や地位に媚びてくる。
だけど彼女は違った。
彼女は顔色一つ変わってない。
面白い子だ、紅ちゃんは。