【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)
一方で

菜穂実さんの父親の加納社長は

最初はやはり反対だったらしい。

でも、藍原家の説得により

最終的には認めて貰う事が出来

晴れて正式に

同居解消が成立した2人は

夫婦のフリをして住んでいた

マンションを解約して

それぞれ引っ越したとの事だった。

そして、藍原専務は

私の兄を手懐けて

私を専務専属秘書として傍におき

彼女の方は元彼と復縁して

今は一緒に暮らしているとの事だった。

***


「…そう言う事だ。
だから、美紅…俺は独身だ。」

彼は私の顔を覗き込んだ。

「…加納さんと見合いして
このまま結婚してもいいと
思った時も正直あったし
彼女の頼みを受け入れて
夫婦のフリをしていたのは事実だ。」

「……はい。」

「…でも、俺は初めて美紅に出会って
君の純粋な笑顔とその艶やかな
健康的な唇に心を奪われた。
この年になって
初めてかもしれないよ…。
こんなに誰かを好きになったのは…。」

そう言って彼は

『おいで…美紅。』

と、私を引き寄せて

ラグに座っている私の腰に腕を回すと

『…好きだよ。』

そう囁いて触れるだけのキスをした。

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