【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)
『…俺が選んだ
口紅とグロスじゃないとダメだ。』
統弥さんは私が式当日に
他のルージュやグロスを
つける事を許さず
指定、持参したルージュとグロスを
私に施すようにヘアメイクさんにも
事前に何度も念を押していた。
彼の独占欲の強さに
『あんな息子でごめんなさいね。』
と、お義母さんから申し訳なさそうに
気の毒そうに謝られたけど
そんな彼を何だか愛おしく想う私は
相当重症なのかもしれない。
プレゼントされたあの日から
もう私はきっと
こうなる運命だったのかもしれない。
…でも、それでいい。
私の唇は彼だけのモノ。
彼の唇も私だけのモノ。
夢の中じゃなくて
現実でたくさんキスして貰える今が
私には堪らなく嬉しいから…。
「…もうすぐですね。」
私は彼の手に
そっと自分の手を重ねた。
彼は片方の手で私の頬を撫でると
「…誓いのキス…楽しみにしてろ。
神も周囲も嫉妬するくらい
美紅も蕩けてしまうくらい
甘いのをしてやるからな?」
そう言って意地悪く微笑んだ彼は
「…美紅、愛してる。」
と、私の頬に軽くキスを落とした。
【END】
