続・心友。~もうひとつの想い~
ふうん。
確かにきれいな顔をしている。
大人っぽくて優しげに見えるが、メガネの奥の澄んだ瞳は、案外強気に光っていた。
「別にそんな趣味はないけど、あの子らせっかくうまくいったんやから、じゃませんといてほしいなーって思っただけ」
マリアが平然とそう言うと、低い声が返ってきた。
「ずいぶんおせっかいなんやな」
フンと鼻で笑われる。
「それとも元カレの恋の相手も、親友の恋の相手も、キミがセッティングするシステム?」
「何それ」
険のある言い方に、マリアの声も低くなる。
「いらなくなった彼氏を、友達に押しつけるとか」
堂前がマリアを見ながら言った。
「は?」
「そうじゃなきゃ、沢渡さんが、なんであんな2年生とつきあうことになる? なんでわざわざキミの元カレなんかと、つきあわなあかんねん」
まるでマリアが、藍に悟を押しつけたとでも言いたげな顔だ。