続・心友。~もうひとつの想い~
イタイな……。まさかウチも今、こんな顔してたりして……。
マリアは思わず自分の頬をパチパチと叩いた。
それから、数歩歩いて堂前に近づき、すれ違いざまに小声で囁く。
「ま、そーゆーことやから、藍のことはあきらめてな」
残酷だけど、認めなければならないことだ。藍と悟が両想いだってことは。
「え?」
しかし堂前は突然マリアにそう言われて、驚いた顔をこっちに向けた。
「あんた、藍のこと好きなんやろ?」
足を止めてマリアはさらりと訊く。
「…………」
「てか、めっちゃわかりやすいねんけど」
堂前は言葉をのんで立ち尽くしている。
「他人の心の中を……暴くのが、キミの趣味?」
長い沈黙のあと、落ち着いた声でそう返してきた顔を、値踏みするようにマリアは見つめた。