続・心友。~もうひとつの想い~
そのまま何事もなく数日が過ぎ……
藍と悟が、また一緒に帰る放課後がめぐり来る――。
ロッカー付近で悟と待ち合わせている藍を囲み、マリアたちは3人でしゃべっていた。
「ん?」
視線を感じてマリアがふと顔をあげると、少し離れた柱の陰から、こっちをうかがう堂前の姿が見えた。
うわ、見てる。
堂前の視線は、まっすぐに熱く藍をとらえていた。
やっぱ好きなんやろか、藍のこと……。
今まで気づかなかったのが不思議なくらいだった。
まだ知らんのかな? 藍に彼氏ができたこと。
堂前と目が合いそうになって、思わずそらすと、マリアの視界に悟の姿が入ってきた。
「藍、彼氏来たで」
わざと大きな声で言ってみる。
一瞬、その言葉に堂前がピクッと反応したのがわかった。