続・心友。~もうひとつの想い~
「ゴメン、待った?」
なんの迷いもなく藍のもとへ歩み寄る悟。
藍を見つめる瞳は、優しく温かい。
ほんの数カ月前なのに、悟は自分がつきあっていた頃よりも、また少し大人びて感じた。
そのまま照れくさそうに笑った顔を仰いで、藍の表情がパッと明るくなる。
「ううん。今来たとこ」
「そっか。よかった」
ボソッとつぶやく声の響きは、あの頃と変わらない……。
「「じゃね~、藍。バイバ~イ」」
「うん、また明日」
一歩、悟のもとへと踏み出す藍。
その姿を眺めていると、ユキがマリアの腕をとった。
「帰ろっ、マリア」
屈託のない明るい声。
ユキの優しさが沁みる。
「うん」
マリアがそう答えたとき、また視界に堂前が映った。
歩き出した藍たちの様子を見つめて、呆然と立ち尽くしている。