続・心友。~もうひとつの想い~
「それなら……大丈夫やと思う」
堂前は静かにそう言った。
「あの夏、従兄はあの写真を送ってきて……そのあと2、3日経ってから、今度はあわてて電話をかけてきてん。
『この前の写真、こっちに送り返して』って。
あれで彼女を脅してたのが、その子の友達にバレて、ケータイごと壊されたってな」
確認するように堂前がマリアを見あげると、彼女は小さくうなずいた。
「あいつ、あの画像をネットに投稿して仕返ししたるって、かなり興奮しててな……。
僕が『もう消した』って答えると、ものすごい剣幕で逆ギレされたっけ。
『他には誰にも見せてないし、コピーもしてないのに、なんで消すねん、ボケー』ってブチ切れとった」
「そうやったん……」
マリアがつぶやく。
「あの口ぶりやと、他に画像はないと思うねん」
堂前はじっとマリアを見あげて、そう言った。
「うん」
マリアの表情が、やっと柔らかくほどける。