淋しいお月様
「ちなみに、星羅ちゃんはなんで今日はコンビニおにぎりなの?」

私は今日もコンビニおにぎりと、コンビニの無料でもらったおでんのつゆというランチだった。

「ははは。昨日、頑張って料理したんだけど、失敗しちゃって、挫折」

「キャラ弁作ってくれてる彼は?」

「ちょっと旅行に行っちゃった」

「そうなんだ。星羅ちゃんは彼氏にべったりなんだね」

「べったり? 別にラブラブとか、そういうんじゃないよ」

私はおでんの汁をずずっと啜った。

いつもと同じ味で、安心する。

もちろん、セイゴさんの作ったお弁当に比べれば月とすっぽんだけれども。

「だって、料理してくれるんでしょう?」

「うん。私、家事苦手で……」

「じゃあ、掃除は?」

「掃除も片付けも、やってくれてる……」
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