淋しいお月様
「ほら、べったりじゃん。もう彼氏なしでは生活できないね~」

朗らかに笑うクマさん。

「そういう意味でべったりね。あはは。そうかも」

確かに、セイゴさんのいない生活で、部屋の中はまた乱れてきた。

「私も、実は家事苦手でさ~。主婦なのにね」

「そうなの?」

「うん。掃除機ひとつかけるのに、30分はかかる。やらなきゃ~、やらなきゃ~って思いながらソファーの上でだらだらしちゃう」

「解る! そうなんだよね」

「料理はなんとかするけどさ、その他の洗濯とか、ベッドメイクとかは旦那にまかせっきりだよ」

「そうなんだ……」

生活力ゼロなのは、私だけじゃなかったのか。

世の中の女性は皆、きちんと整えられた部屋で生活してるわけじゃないんだな。

それを思うと、母は偉大だな。

風邪ひいてる時も、どんな時もうちの母親は家事を手を抜くことはしなかった。
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