淋しいお月様
セイゴさん、彼女いるんじゃない。

それなのに、私の家に押しかけてきて、大丈夫なの?

立川絵里に、誤解されないのだろうか。

私のこととか、しゃべってるのだろうか。

私の家と仕事場の往復みたいな生活だったけど、一体いつ立川絵里と密会しているのだろう。

聞いてみたいことが山ほどできてきた。

だけど、セイゴさんはツアーに出た。

今度は西日本を回るらしい。

帰ってくるのは、また2週間後。

私はセイゴさんの携帯の番号も知らない。

ってか、大事なツアー中に、そんなことで電話をするのも忍びない。

セイゴさん、彼女いたんだ――。

「ユアさん、も一回、スマホ見せて」

私は、小さな画面の中で、ちいさな花のように笑っている立川絵里に釘付けだった。
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