淋しいお月様
私たちはまた、微笑み合った。

何だか、私と若森くん、気が合うみたい。

まだ数回しか会っていないのに、ずっと昔から知っている幼馴染のような感じ。

私はコンビニの中へ入るように促した。

「若森くんはビール? 焼酎? 日本酒? ワイン?」

「僕はとりあえずビールで。あんまり飲みすぎると稽古に響くから」

「あ、そっか。この後稽古だっけね。それじゃあ、あんまり飲めないね。ノンアルコールにする?」

これから仕事なのに、ビールを飲んで出かけていったセイゴさんのことを思い出す。

何だか、遠い昔のような気がする。

そういえば、もうそろそろセイゴさん、帰ってきてもいいはず。

今頃、どこにいるんだろうな。

そうして私たちは、お酒を少しと、お菓子を買って、店を出た。

「ここから近くなの?」

これから若森くんの部屋へ行くのだ。

友だちの家に行くのって、何だかテンションあがるよね。

「うん。すぐそこ」

彼が先立って歩き出した。

私も後に続く。
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