淋しいお月様
ん……。

目を覚ますと、朝だった。

スズメのちょんちょん鳴く声が聞こえる。

ふと、横を見ると、セイゴさんがいた。

同じベッドの中で、眠ってくれた。

「おはよ」

彼はもうすでに起きていたらしく、らんらんとした目で私にそう言った。

「おはよ。起きてたら、ベッドから出ててもよかったのに」

「いや、また星羅ちゃんが怖い夢見るかなって心配して」

「優しいんだね」

「当然のことだよ」

さらりと言ってのける彼。

本当に、優しいんだな……。

私が目覚めたのを確認して、セイゴさんはベッドから出る。

「腹減ったろ。どこか食べに行こうか?」

「うん」

「今日仕事は?」

「お休み」

「ならよかった。ちょっくらドライブでもするか」

「うん」
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