淋しいお月様
「天野星羅。前の職場の同僚で、俺の転勤で一緒についてきたんだ」

静哉が、会社帰りでスーツ姿の仲間に向かって、私を紹介する。

私と静哉、それに仕事仲間の男性3人と、居酒屋にいた。

「天野星羅です。よろしくおねがいします」

私は椅子に座ったまま、ぺこりとお辞儀をした。

個室の居酒屋。私と静哉がよく行っていた居酒屋チェーンだ。

このひとたちが、静哉のお友だちなのね。

チャラいひと、軽そうなひと、女のあしらいがうまそうなひと……静哉の仲間に、そんな印象を
受けた。

東京のひとだ。

都会のひとだ。

そう思った。

ビールが運ばれてきて、みんなで一斉に乾杯した。

なんとなく、居づらい雰囲気だった。

それに、静哉が私を彼女だと紹介するのも、違和感を覚えた。
< 246 / 302 >

この作品をシェア

pagetop