お姉ちゃんの憂鬱

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「では、出発進行です!」



きっちり制服を着こなし張り切る直くんとまどかを先頭にホテルを出発するあたしたち。

今日、三日目はこの修学旅行で唯一の自由時間、自主研修だ。



今朝も結局起きられなかったのか、直くんはパジャマ代わりのジャージにパーカー、まさに今起きましたという顔と頭でメグに引きずられてご飯会場に登場するという偉業を成し遂げ、見事にみんなの注目の的になった。

あたしたち女子三人は本人たちを目の前にして爆笑したけど。


直くんはなにを笑われているのかわかってないみたいだったから、とりあえず自由気ままに飛び跳ねる髪を撫でつけてあげた。


そんな状態でご飯に来たくらいなので、もちろん自主研修の準備なんてものは全くできておらず、着替えも準備も済ませてロビーに集合したころにはあたしたちの班がホテルを出る最後の班となってしまったいた。




「本当にお前らって楽しそうにやらかすよな。すでに予定時間から30分の遅れだぞ?」


呆れた様子の胡散臭メガネがあたしの隣で呟く。

なんで一緒に出発しているんだ。
そんなにあたしたちが心配か。



「そんなにみんなから遅れを取っていたなんて…村さん隊長、先を急ぎましょう」



そんなことを言う直くんに、みんなが『お前のせいだろうが』と心の中で思っただろうが、それを口にする人はおらずただ直くんの頭を軽く叩くだけだった。





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