お姉ちゃんの憂鬱
直くーん、直江ーと少々恥ずかしいが、そんなことも言ってられない。
叫びながら歩き回る。
本当にどこに行ってしまったんだろうか。
あたしたちが今いるのはお土産屋が多く面している通り。
売店を見てもいなかったため、直くんならこっちの方に興味を惹かれるものを見つけふらふらしているのではないかと踏んだのだ。
建物の中ならまだしも、こんな通りだと迷子の放送なんてものできないし、夏休みということもあって人があふれたこの通りで直くん一人を見つけるのは簡単なことではない。
制服を着ているのが唯一の目立つポイントだろうか。
「まったく、あいつはどこに行きやがったんだ」
ため息交じりのメグの言葉に思わず笑いがこぼれてしまった。
「ふふっ 直くんは何かしらやらかしてくれるって思ってたよ。まぁ、これも旅の思い出じゃないですか」
「…それもそうだけどな。はぁ…オレがこんなことすることになるなんて」
「なんだかんだ言ったって、楽しいでしょ?あたしは楽しいよー」
「オレもまぁ…楽しいわな」
「それならよかった」
「本当は修学旅行なんてこないつもりだったんだけどな。今は来てよかったって思ってるよ」
目はちゃんと周囲を見渡し、直くんを見逃さないようにしているが、意識はメグとの会話に持っていかれてしまう。
だって、こんなこと言われたら嬉しいじゃない。