お姉ちゃんの憂鬱


「いねぇ」



トイレから出てきたメグはそうはっきり言い切った。



「…どういうこと?この短時間でいなくなれるもんなの?」


「いなくなれたみたいだな」


「いや、そんな悠長にしてないで、探さなきゃじゃん!」


「さすが隊長、責任感が違うね!」


「まどかもメグもふざけないの。直くんに連絡してみよう」



ふざけるまどかとメグを窘め、携帯を取り出す。



「あー…直江、ホテルに携帯忘れたって言ってなかったっけ?」



まどかの言葉にハッと息をのむ。

そうだよ、朝ごたごたしてたから携帯を充電器に刺したまま置いてきてしまったということを言っていたじゃないか。




「じゃ、しらみつぶしに捜し歩くしかないのか」


「そういうことになるね…かーちゃん、どうする?」


「どうするもなにも、探さなきゃ先に進めないでしょうが。みんなで手分けして探そう」


「いや、まどかさっき携帯の充電ないって言ってたよね?」


「あー、うん。昨日充電すんの忘れてた」


「それなら二手に分かれよっか。あたしとまどかで組むから、かなは吉岡くんと一緒に探して!あたしたちは建物のルート逆走してみるから、二人はここを中心に売店とかそっちの方。見つけたらあたしに電話ちょうだい!」


「…了解しました隊長!」




さぁちゃんの的確な指示に敬礼してメグと一緒にその場を離れる。

いざとなった時のさぁちゃんがこんなに頼もしいとは!



< 103 / 335 >

この作品をシェア

pagetop