お姉ちゃんの憂鬱
あたしの学力を簡単に言えば中の上と言ったところか。
平均は取れるけど、突出したものはない。
だから、気を抜けば簡単に落ちるところまで落ちてしまうのだ。
テスト前に誠の馬鹿を相手にしている余裕などあたしにはない。
一緒に勉強と言うと、誠が遊びだすか構って構ってと騒ぎ出すので、基本的に一緒に勉強することはない。
だってうるさいし。
「そこらへんシビアにやってんのね。ペットのしつけは厳しんだな」
「しつけって言わないでよねー。あたしも必死なのよ」
結局三つのグラスすべてがオレンジ色に染まり、それらをもって部屋に戻ると、メグがドラえもんを熱唱していた。
どうしてこうなった。
吹き出して部屋に入った早々オレンジジュースをこぼしそうになったぞ。
「お姉ちゃん、ありがとうございます。早く次の入れないとドラえもん終わっちゃいますよ」
オレンジジュースを受け取りながらそんなことを言う直くん。
ドラえもんの後はしんちゃんと相場は決まっているのだが、残念ながらあたししんちゃんの曲しらないよ!
「まどかに順番を譲ろうじゃないか」
「なんで?なんか適当に歌えばいいじゃん」
「アニソン思いつかない」
「だって、直江。なんかかーちゃんにリクエストは?」
え、そこのリクエスト受け付けてないけど!
「そうですね…もののけ姫で」
ほらーそういうことになると思ったんだよー