お姉ちゃんの憂鬱

「田代君、あなたは今、誰になんで謝らなきゃいけないの?それをよく考えて、もう一度謝りなさい。」



田代君に問いかける。

口先だけのごめんなさいは何の意味もない。
そんなものはいらない。



「えっと、三船さん…」

「はい、なんですか。」


「あの、…自分の気持ちを押し付けるような事をして、あなたに嫌な思いをさせてしまいました。本当にすみませんでした…」



今度はちゃんと目を見て、何を謝りたいのかが伝わってくる。

嬉しい気持ちでも、申し訳ない気持ちでも、相手に伝えたいのならば同じように相手を思いやって伝えなければね。



「…反省してくれたのなら、それでいいよ。あと、好きだと言ってくれたのは、嬉しかった。でも、こんなやり方は間違っていると思うし、こんなやり方を選んでしまうあなたのことは、好きになれないと思う。だから、ごめんなさい。」



今思うことを、偽りなく伝える。
それが相手のためになると思ったから。



「うん。自分でもおかしいと思う。・・こんなことしたオレにちゃんと返事をしてくれてありがとう。」


田代君は少し申し訳なさそうにはにかんだ。





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