お姉ちゃんの憂鬱

「かなちゃん!!お待たせ!」


「あれ、誠遅かったね。馬鹿すぎて先生に捕まってた?」


「課題終わってなくてお説教されてた!」


「ほぼほぼ正解じゃんかよ。だからちゃんとやれよって言ったのに。」


「だって部活もあったし、かなちゃんとの時間を削ってまで勉強しようだなんて思わない!」


「いや思えよ。そんな理由で勉強しないんだったらもうお前と遊ばないわ。」


「そんなこと言わないでー!!!」


「ほら、お前も指相撲大会参加しておいで。勝ったらご褒美あげるから。」


「優勝してきます!!」




直くんとさぁちゃんが白熱した戦いを繰り広げる大会会場(教卓の周り)に誠を追いやると、楽しそうに観戦していたメグに近寄る。




「良かったの?部活断わっちゃって。」


「いいんだよ。部活始めたらお前らと遊べなくなるだろ。それに、一回辞めた奴が戻ってきても今いる奴らは迷惑だろうしな。」


「そんなことないと思うけど。」


「何、香奈子は俺に部活行けって言ってんの?遊びたくない?」


「んなわけないでしょうが。ただ、メグの気持ちを優先してほしいなーと思ってね。」



せっかくだから、無関心もやめにすればいいのに。



「自分の気持ちを優先させた結果がこれだから。というか、まだ無関心だったら流されて言われるままに部活に戻ってたよ。」

「そっか。」





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