お姉ちゃんの憂鬱

結果からいうと指相撲大会はまさかの岡部君が優勝した。


残念ながら注目していた渡辺君は3位だった。ちなみに2位がメグで誠は4位。ご褒美はなしだ。



そして、さぁちゃんと戦った直くんは爪が刺さって痛いと途中棄権した。さぁちゃんの爪はやっぱり凶器だった。

まどかは5位で心底悔しがっている。





「今度は腕相撲対決な。」


「え、それ絶対吉岡に勝てないじゃん!」

「だから言ってんだろ。岡部に負けたとかオレが許せねぇ。」


「鬼ごっことかにしません?鬼ごっこなら負けない!」


「あ、それ賛成!鬼ごっこ希望!」


「バスケ部と野球部がそろってなに言ってんだよ。」


「女子にも勝機があるのにしようよー。ねぇ?かな。」


「そうだねー。体力馬鹿ばっかり有利なのはずるいよな。」


「かなちゃんだって瞬足のくせに。」


「香奈子お前確か100メートル走女子トップだろ。」


「それ絶対オレより速いよね?オレなんてゲームしかできないよ?」


「指相撲優勝してんだから岡部君の意見は聞きませーん。」


「吹奏楽部のオレにも勝機を…!!」


「わかりました。みなさんの意見の間を取って、カルタにしましょう。」


「直江がやりたいだけだろ!」


「体力関係ねぇ!」


「足の速さも関係ないね!」


「どことどこの間を取ればカルタにたどり着くんだ…」


「やらないんですか?四字熟語も覚えられる優れものですよ?」


「今持ってんのかよ!え?なに、持ち歩いてんの?!」


「なるほど、直江…修学旅行の夜の続きをしようってんだな!この岡部様が相手になってやろう!!!」



ゲーマーの血が騒ぐのか、急に乗り出した岡部君。




「二人はカルタやるみたいだからあっちで腕相撲しようぜーい。」


「さんせーい。」


「あ、せめて読み手に一人残ってくれませんか?」



…それでいいのか直くんよ。





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