お姉ちゃんの憂鬱

そして迎えた運命の始業式。クラス替えの張り出しも今日。




「あれ?」

「まじか。」

「え、やったぁ!」

「ショックを受けなくてすみました。」




いつもの5人で3年の教室に向かい、クラスを確認すると見知った名前がたくさん。




「…なんだ、また全員一緒かい。」




直江大護、三船香奈子、本村さやか、山城まどか、吉岡めぐみ。

みんなそろって3年2組だ。





「おうお前ら。4人まとめてまたお姉ちゃんに面倒見てもらえよ。」



後ろから聞こえたのはまたもや知った声。

担任の名前のところに目を向ければ、担任メガネも変わりなしなことがわかる。




「あれ先生、メガネは?」



さぁちゃんの声にメガネの方を振り向くと、なんとその顔からメガネがなくなっているではないか。



「お前らがメガネメガネうるさいからコンタクトにしてみた。」


「アイデンティティの消失ですね。コンタクト先生。」


「そうか。胡散くさコンタクトに改名か。」


「おい三船、お前今胡散くさって言ったろ。オレは胡散臭くなんかない。」


「いや、コンタクトに関してはスルーでいいのかよ。」


「あ、それよりメグさ…」


「それよりって何だよコラ。コンタクトって呼ぶなよ。絶対ダメだからな。わかったな特に三船と直江。」




横で何やらブツブツ恨めしそうに独り言を言っているコンタクト先生は見なかったことにしてメグに話しかける。



「今度は受験勉強一緒にやろうね。メグ様がいれば勉強もできる気がする。」


「僕も参戦します。」


「あたしもまぜてよねー。なんだかんだ言って吉岡くんが一番賢いんだから。」


「お前らみんな馬鹿だもんな。」


「一刀両断されたぜ。」


「なんで直くんは馬鹿って言われてそんなに嬉しそうなんだよ…」



あ、直くんだからですよね。わかります。





「あれ、まどか?さっきからだんまりしちゃってどうかした?」


さぁちゃんの言葉にみんながまどかの方をみた。




「いや、なんつーか…」







< 333 / 335 >

この作品をシェア

pagetop