お姉ちゃんの憂鬱

「えーっと、吉岡くん、直江くん、君たちは本当に不本意なんだと思うけど、あの胡散臭メガネのせいで同じ班になってしまったということなので、よろしくお願いします。」


「胡散臭メガネ…」



机から起きあがった吉岡くんの驚いたような呟きで気づいたよ。

あ、やべえ心の声がダダ漏れや。ってね。




「おねーちゃんのくせにそんなこと言っていいのかよ。」


そして吉岡くんの次の呟きで今度はあたしがびっくりする番だ。



「おねーちゃんって呼んだ!」



あのギラギラな吉岡くんがあたしのことおねーちゃんって!!

お姉ちゃんびっくりよ!!



「あ…、いや、違う!今のは違う!お、お前お姉ちゃんって呼ばれてるくせにってことだよ!」



ギラギラ吉岡くんの必死の弁解は、もともと白い顔が赤い顔に急変身したことによってあたしには精いっぱいの強がりにしか見えなくなった。



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