Love their
「でさ、その医者の…」


里子は言いかけて横に置いていたバッグからオルゴール音の鳴る携帯を取り出した。


教えられた訳ではないけど知っている曲。


禁じられた遊び。


音と同じでオルゴールによく使われているからメロディだけで分かる。


今時の着メロにしてないのはメール用だからか。


里子は到着したメールを確認してまたすぐバッグの中に放り投げて言った。


「素性って言ったら失礼だけど…聞いたの?どういう人か」


「ん…。33歳、未婚、大学からの派遣の勤務医…ってとこ」


「バツとかじゃないの?」

バツ…いわゆるバツイチってことか。


「それは聞いてないけど」

「その人、彼女いないの?」


間髪入れずに里子が言った。


「……。聞いてない。…ってかそれ聞けないじゃんっ。聞くのおかしいよ」


「まぁ、それもそうだけどさ。レイに彼氏がいるって知ってるからいてもお互い様じゃない?」


言われてみれば、そうだけど…。


「そんなノリだったら、何か嫌だなぁ」


「あはっ、よく言うよ〜」

軽く笑いながらビールを煽る里子。



「やっぱり、自分だけ勝手?」

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