Love their
嘘をついた苦しい自分を包んで忘れさせてくれる彼が欲しい。


最低かもしれない。


でも、これが私なんだ。


タオルで身体をすっぽりとくるみ胸の辺りで端をねじ入れるとドアを開けて脱衣所に濡れた足を置いた。


2畳程ある脱衣所は棚から洗面台に至るまで整理されていて真新しく、レイは使うのが心苦しく感じた。


外したタオルで髪の毛を拭く度にハラハラと白いタイルの床に落ちていく1本1本を目で追った。



気を取られながら、バッグの底からポーチを取り出して中から小さく折りたたんだショーツを手に取り広げた。


サテン生地に余りにも皺が入っていたので思わず凝視してしまった。


生理用品と一緒に何かあった時にと替えの為に入れていたものだがこんな時に役立つなんて、

そう思いながら足を通した。


もうちょっとマシなの入れとけば良かった。


予備の物だからと使い古しのショーツ。


こんな所まで気が回らない。サトルと居る時にはそんな風にさえ思ったことないし。


今更こんなこと1つで惰性が少し勝っていた付き合いだったんだな、と改めて感じる。


楽と言えば楽だけど…洗面台に散らばった髪の毛を巻き取りながら思った。
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