Love their
床に下ろした荷物を再び手に持つと、そう言って玄関に立つレイを残したまま先に部屋に行ってしまった。


レイはサンダルを脱ぎサトルの後を追うように部屋に入る。


既にネクタイを緩め靴下を脱いだサトルはソファにもたれかかっていた。


「何作るの?レイが作ってくれるなんて久しぶりじゃんっ」


「肉じゃがだけど…何だか食べたくなって、急に思い立って…」


質問責めにしていた立場が逆になってるじゃん…レイは思いながら袋から食材を取り出した。


久しぶりにあがったサトルの部屋は思いの他片付いていた。


ここも生活感を感じない部屋だが、サトルの脱ぎ散らかした洋服や何かで足の踏み場もない状態だった以前とは違う。


レイは想像とのギャップに思わず肩をすくめた。



「でさ、そうそう、急いで帰った方が早いって思った訳」


サトルは急に思い出したように聞いてもいない理由を独り言のように言った。


「なら、電話してよね」


「ごめんって…まぁこうして間に合ったし、いいじゃん」


まぁ、別にいいけど。
一応念を押すようにサトルに言い放った後、スーパーの袋を小さく縛りながら立ったままで少し待ちくたびれた足をさすった。



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