Love their
レイの無意識に働いた渾身の力で払われたサトルは尻餅をついて後ろにのけぞった。


「レイっっ、違っ…これは……」


「うるさい」


「えっっ…」


「っっうるさい!!!」



いつから???


いつからそんなことになってたの???



まとめようにも困惑する思考を束ねることが出来ない。


頭がフル回転してレイの記憶がフラッシュバックする。



サトルは言葉に詰まり呆然とする。




一緒に楽しく飲んで笑って過ごして?



付き合うことに喜んでくれて?



何ソレ?




昨日も一緒に過ごして?




私は何も知らない。



あんた達のこと何も知らない。




里子と2人で、あんた達…。




私を笑ってた???





走馬灯のごとく繰り返される昔の出来事や昨日のことがとめどなく再生される。


「レイ…聞いてくれ…」


サトルがそのままうなだれるように言った。


「…何…」


「ちゃんと話するから…」


再び、態勢を取り直しサトルがレイの元へ這ってくる。



「近寄らないでっっ!!」


レイの剣幕に圧倒されるサトル。


レイもまたわからなかった。




何を?


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