Love their
どこかで、何かの間違いでありますように…。


そんな儚い願い虚しくポケットから取り出したピアスは互いを引き立て合わせながら輝いていた。



やっぱり同じものだ。



これは同じものだ。



レイは唖然とした。





こんなことあっていいもんか。




沸々と湧いてくる虚しさと怒りと驚きと、ごちゃまぜになったどうしようもない気持ちを止めることが出来なかった。




バンッッッ!!!


ピアスを握り締めた拳で風呂のドアを殴った。




第2関節に熱い痛みがほとばしる。




「のぼせたんじゃね〜の?」


その音に驚きサトルがこちらにやって来た。



サトルの気配を背後に感じながら痛みが薄れる拳をもう一度床に打ちつけた。



「だいじょう…っっ」



何も知らずに来たサトルの言葉がなくなる。



「レイっっ、お前何やっ…!!」



レイの足元に散らばった化粧品を見てサトルが事にようやく気付いた。



「…………」



レイはそんなサトルに気付きながらも何も言えなかった。



サトルはハッと我に帰りしゃがみ込むレイの背中を抱いた。



重さしか感じられず全身で寄り添うサトルを払いのける。
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