Love their
「彼も…今の私たちの関係が壊れるのが嫌だったみたい。それからは2人で会おうとする私を少し避けてた…と思う」



私の知らないところで、こうして2人は会っていた。



サトルとしては仕方なかったのかもしれない。




「…だからね、レイ…医者とのこと言ってやろうかと思ったわ…」



「!!……」



「…でもっ言えなかった…。サトル君が傷つく姿…なんてみたくなかったわ…」



「それに…」


里子が一息置いてレイを真っ直ぐ見つめた。



「あんたには腹が立ってた…いっそのこと嫌いになりたかった……でも…無理だった。…何でだろ、ね…」


里子の真っ直ぐな瞳に吸い込まれるようだった。



レイは必死にその瞳を見つめ返す。




瞳の中に、里子の消化しきれない思いがどれだけ詰まっているのだろう…?




それだけ深い…深い目をしてる。





「段々と性格が悪い自分に気付いて…辛かった。……こんなだから私じゃダメなのかなって…辛かった…」


里子はまた思い出したように泣きながらため息をついた。




「だから…私……っっ」




「言ったの……」



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