Love their
「でも?」



チラっとレイを見ながら言ったサトルに直ぐ様聞き直した。



「俺、ヤバかった……かな…」


「…はぁ?」



サトルの苦笑いに一瞬理解出来ずにいたが、すぐに何を意味するのか分かってしまった。




「サイテー…」



「いやっっ…ほらさっ…心とは別もんじゃん?男ってさ…ほらさ……」



しどろもどろになりながら言ったことを正当化するサトル。



「はいはい。分かった〜もういい……、あ、店員さん、生ビール一つ追加して下さぁい!」



そんなサトルを無視して通りかかった店員に声を掛けた。




「だから〜ごめんって…」


レイの顔を覗き込むようにサトルが甘い顔を見せながら言った。



「だから〜もう分かったってば…」




何でも素直に自分をぶつけてくれるサトルを。




良いように言い過ぎかな……?



分かり易いサトルを。






本当は羨ましい…って思ったりするんだ。






彼と連絡の取れなくなった後、病院に行って退職したことを聞いた。




どちらに行かれたんですか?




ただその一言が聞けなかったんだ。




見るからに患者でない私を私が見てた。
< 272 / 274 >

この作品をシェア

pagetop