Love their
今まで数え切れないくらい遊びに来ていたけど。



その姿を見ることはなく。


飲んじゃったかな、って。


最近は忘れていた。



お互い違う大学生活でなかなか会えなかった時にも、

困った時には分かったように必ずメールをくれていた。



何かあった時にはいつも私の枯れた心に潤いを与えてくれた。




大事な大事な親友――。




ありがと、里子。



レイはグラスのワインを飲み干し、名残惜しく喉に残るほろ苦さも堪能した。



「深いね……」



25年という重厚な感触が口の中に広がった。



深く深く、赤い赤。



私たちの友情の濃さなのだろか。




それとも…。




この時にはまさかあんなことになるなんて思ってもみなかった。


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