涙の桜
ajisai
紫色の渋いお花だけれど

すくすくと真っ直ぐに伸びるツルをみていると

美しく見えてくる。

まるでその姿は冷淡で無情で元気な女性のよう

そしてまた違う風に見ると

自慢げで自分の信念や主調主義を変えない

男性のようにも見える。

紫陽花は冷たく浮気性で

でも辛抱強い愛情を持っている魔性のような

そんな存在感を持つ人に似ている。

うっとりしながら見つめていると

僕にはとうていかなわない存在感を

見せつけられているように思える。

だけどどこか前の僕に似ているんだ。
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