涙の桜
イトスギ
こうの鳥が20歳の僕に小さな命をくれました。

君は僕への愛はなく。

ただ奴隷と同様に扱っていた。

そんなつもりはなかった。愛してる。

口だけの愛情に心は疲れきってしまった。

いろいろな場所に連れていってくれた。

形だけの愛情に心は離れていった。

お金を借りたら借りっぱなし

それにお金まで盗まれて妊娠させられて

君からされた心の傷が大きくて

プロポーズなんて嬉しくなかった。

だけど小さな命が動いているのを見て

毎日毎日泣いていた。

でも親からの反対。

そしてあの日々を思い返すと

どうしても君の元へ行けなかった。

赤ちゃんまで被害が及ぶと思った僕は

小さな命を殺すことにした。

辛くて辛くて魂が抜けてしまうような日々。

そして当日僕は予定の時刻に行き手術をした。

痛かった苦しかった辛かった。

だけど弱音は今も見せてはいない。

でも今でもどこかで結婚や出産に臆病で

逃げている僕がいるんだ。

君のことを考えてしまうから。

謝っても消えない罪を背負っているから。

そして君は今どこで何をしていますか?

一方的に突きつけた現実を許してください。

そして幸せになってください。

そう思ってしまうのは昔の君が可哀想だから。

報われない現実の中で生きてきた君だから。

僕は君に幸せを与えられていましたか?

僕とつきあってくれてありがとう。

そして大切な命をくれてありがとう。

君のおかげで優しく一途な大人になれました。

まだまだ君には叶わないけれど

これからもっと経験を積み重ねて

優しい大人になります。




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