深い闇の中から
ドタバタとしていたのだろうか。

扉の前には、駆けつけてきた母がいるのであろう。

ドンドンドン

「どうしたの?何かあったの?」

ドンドンドン

(うるさい、構うな)いちいち構う親が鬱陶しかった。

「うるさい、構うな」はっきりと聴こえた。この声は、確かに自分の声で、だけども、心で思っただけだ。
いったい誰が?

ドンドンドン

「うるさいって何なのよ、お願いだから開けてちょうだい、お母さんは、あなたの事が心配なのよ」

(うるさい、今更何なんだよ、母親面しやがって)
本当にそうだ、毎日のように思っている。


「うるさい、今更何なんだよ、母親面しやがって」
まただ、また自分の声で喋っている。

いったいこの声の主は誰なのか、周りを見渡した。

「あたりまえじゃない、私はあなたの母親何だから…うぅっ…」
その場に倒れ込み、泣きじゃくっているようだった。

そんな事はどうでもよかった。
今は声の主の正体を探ることが先決であった。

そして…
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