堕ちてくる
ゴミ
スペースデブリ。宇宙に浮かぶゴミ達だ。人々を宇宙に運び、その役目を終え、地球の周りを今も回っている。このゴミ達が、遙か離れた彼の心に呼応した。
ゆっくりとお互いが寄り合い、すさまじい速度で融合していく。彼の憎しみの気持ちを全て詰め込むように大きくなったゴミ達は、何かを探すかのように揺れだした。右、左、揺れていくうちに、どんどんと凝縮していく。そのうち、ピタリと止まり、地球に墜ちていった。それは、まるで獲物を見つけたライオンのようだった。
地球に、汚れた紅い光が咲いた。
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