恋といのり

静かに席を立ち

足を進める

次第に速くなり

校庭に出るころには走っていた


「はぁ」

桜の木に手をつき

空を見上げた


やっと彼女に逢えたんだ

喜ばしいことじゃないか


逢えただけで幸運だったんだ


そうだ

もう忘れろ

あの子は彼女であって彼女でない


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