Kissから始めよう

ロビーに降りると、そこは人がごった返していてどこに誰がいるのかわからない状態だった。


そっと繋がれた手と手。


振り向かずに真っ直ぐ歩き進む雄輔の背中を見ながらひたすらついていく。


「ベンチに座っていよう。」


足を止め、ロビーを一望出来るベンチに座ろうとした瞬間だった。



「和佳奈」



肩をポン、と叩かれる。


ビクリと身体を震わせて振り向くと、にっこりと笑った和寿が居た。

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