Kissから始めよう
「あぁ、出したよ。君と違って優しく愛してあげたよ。それが?」


ニヤリ、と笑う雄輔。
挑発してるんだ。


「てめぇ、ふざけんな!」

「至って真面目だが。人の婚約者に今更何の用があるんだ。君こそ和佳奈を放っといてくれないか?」


和寿が雄輔の襟を掴む。
グイッと引き上げようとした、その手が反対向きに捻りあげられた。


「⁉︎」

「あまり手荒な真似はしたくないんだが、お引き取り願えない場合は止むを得ず警察に通報させていただく。」


警察、という言葉に急にしおらしくなった和寿は少し離れ和佳奈をチラリと見た。


「そっか。わかった。」


チッと舌打ちしてから、二人の前から姿を消した。

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