Kissから始めよう
「てめぇ…!」



怒りで我を忘れた。

昔、妻を寝取られた時でも感じなかった憤り。
大切なものを奪われて気が狂いそうになる程の…嫉妬。



「何してる!和佳奈から離れろ!」


掴みかかり引き剥がすようにして男の身体を押しやった。


「ゆ、うすけ…さんっ」


和佳奈の掠れた声がした。

何度も殴られたのか、痛々しい姿に怒りが沸点を一気に越す。


「許さねぇ。お前にも同じように痛みを与えてやろうか⁉︎」


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