蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
挫けそうなとき、迷ったとき、今までいつもそうして来たように拓郎は、自分の心に問うた。
『お前は、どうしたいんだ』と。
俺は――。
俺は、藍にもう一度会いたい。
ただ、会いたいんだ。
ならば。
「考えろ。どうすればいいのか。どうすれば藍が見つけ出せるのか、考えるんだ」
自分を鼓舞するように呟くと、拓郎は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
再び開かれた黒い瞳は、決意の色をたたえて真っ直ぐと前を見詰めていた。