蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
「君は、クローンについて、どの程度知っている?」
応接セットのソファーに向かい合って座ると、柏木は拓郎の目を見据え、真剣な表情で切り出した。
「……ニュースで報道されていた、羊の事くらいです」
正直言って拓郎には、藍がクローン体だと言う事が、未だに信じられない。
『クローン』なんて言うのは、SF映画か何かの中だけの話だと思っていたのだ。
「……そのクローン羊がどうなったか、知っているかい?」
柏木の言葉に、はっとする。
羊……?
羊は確か……。
あ――。