「「言えない」」
職員室に連れて行かれる妃吏を見送り
走って体育館に向かう







どうやら始業式は終わったらしい


次々と体育館から人が出て行くのがわかる





私の通う高校は広い

入学してきて初めて思ったのがこれだ


校舎が3つに分かれている

まず職員室と1から3年生までの
教室のある第一校舎校舎

次に化学室や音楽室、
美術室やパソコン室、
広い図書室もある第二校舎

そして今人でごった返している体育館


その中で全体が見渡せる場所が
現在私のいるそれら校舎の中心部だ


このまま皆と一緒に教室に戻るのが
利口かもしれない


でも



「結局遅刻して怒られるなら
このままサボっちゃおうかな」


なんて思ってしまうのが私である

私の中のサボリ魔の囁きは強い


ひとまず誰にも見られない様
窓から離れ鞄を起きその上に座る




外は良い天気だ

ふと思う

「あれ、でも...
誰に怒られるの?私。」

誰もいないと思って口に出した言葉に


「僕じゃないですか?たぶん。」


さっきまで走っていたであろう
呼吸混じりの声が返ってきた
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